Meet the legend,Share the Adventure,Look up to the sky!

ブライトリングDC-3ワールドツアー、日本へ『みんなで大空を見あげよう』再び!

2017年4月末、「航空界のレジェンド」として欧州のエアショーなどで勇姿を披露している77歳の往年の名機ブライトリングDC-3(HB-IRJ)が、航空史に刻まれる世界一周飛行「ブライトリングDC-3ワールドツアー」の途上、その最大の目的地である日本に飛来しました。

その後6月初旬まで約1ヶ月をかけ、熊本を皮切りに神戸・福島・松島など日本を縦断し各地を訪問。震災復興への願いを込めた招待飛行を行いました。途中5月5日には約21万人を動員した「岩国航空基地フレンドシップデー」に招待展示参加。

5月22日福島への移動の際には富士山周辺のフライトも実現し、6月3・4日には「レッドブル・エアレース2017」千葉大会にて、のべ9万人の観衆を前にレーストラック上空を低空飛行するなど、精力的に各地を巡りました。
受け入れには鹿児島空港、熊本空港/崇城大学空港キャンパス、米海兵隊岩国航空基地、神戸空港/ヒラタ学園エアセンター、福島空港、仙台空港、とかち帯広空港、各自治体や団体等多くのご支援とご協力を得て、各地で盛大な歓迎をいただきました。

日本各地での招待飛行を含むこのイベントは、ブライトリング・ジェットチームが2013年に福島で実施した『みんなで大空を見あげよう』プロジェクトの再来として計画されました。
「人はつらい時には下を向きがちになる、我々が飛ぶことで日本の皆さんが空を見上げるきっかけになれば」
というコンセプトを受け継ぎ、さらには
「航空の歴史と文化を次世代に伝え、特に子供たちが夢を思い描くきっかけになれれば」
と、ブライトリングDC-3を運航する責任者であるフランシスコ・アグーロ機長は、仲間のパイロットやメカニック、機体を維持管理する非営利組織「スーパーコンステレーション・フライヤーズ協会」の会員、支援を行うブライトリング社と一丸となり、日本のプロジェクトチームと共にこの壮大な計画の実施に向け努力を重ねました。そしてこの世界ツアーは、航空界とともに発展し航空文化に貢献してきたブライトリング社2017年の一大イベントとして実現することとなりました。

特筆すべきは、今回の『大空を見上げよう』が、地上から航空機が飛ぶ姿を“見上げる”だけではないという点です。クラブ・ブライトリング・メンバーのみならず一般の子どもたちを含めた地元のゲストたちが搭乗し、実際にこの歴史に残る飛行の一部となり、文化遺産とも言えるオリジナルの双発プロペラ旅客機を体感していただけました。同時にイベント会場ではDC-3の機内見学会や航空宇宙ジャーナリスト中村浩美氏によるDC-3と航空史の講座、航空飛行協会による模型飛行機教室を開催。航空の魅力を存分に味わってもらえる機会となりました。子どもたちが機内に招待されたのは今回の世界ツアーで日本のみという点も、本ツアーにおける日本ステージの格別さを物語っています。

ブライトリングDC-3感動の来日飛行。

台湾から日本へ

3月9日にジュネーブを出発し、南欧・中東・アジア諸国を駆け足で巡ったブライトリングDC-3は、3月27日台北から鹿児島へ。交代で機長を担当し中東から飛行してきたフランシスコ・アグーロ機長とポール・ベイズリー機長の二人の操縦士は、志布志湾上空でこれから起こる素晴らしい日々を予感していました。台北からの航路はあいにくの雨。積乱雲の上を行く高度9,000ftでの4時間42分のフライトでした。機体は1940年当時のまま、航空計器と座席以外はオリジナル、オートパイロットのない完全なマニュアル操縦。非与圧の機体での長時間の高高度フライトは、酸素マスクを使用するほどではないとはいえ現代のジェット旅客機とは少々勝手が異なります。途中操縦席に雨漏り! というご愛嬌もあったものの、雲間には東シナ海を眺めつつ、機長たちはIFR(計器飛行方式による)飛行を楽しみました。

復興のシンボル熊本城天守閣・阿蘇山上空へ

4月29日に鹿児島から熊本空港入り。空港に隣接する崇城大学空港キャンパスに降り立ったブライトリング DC-3とクルーは、熊本の益城町立広安西小学校吹奏楽部の生徒による素晴らしい演奏と歓迎式典で迎えられました。プロジェクトのスタートです!
2016年4月の熊本地震から丸1年。震災復興のシンボルとされる熊本城天守閣や阿蘇山火口を巡る招待飛行が、4月30日、5月1日に行われました。まず搭乗したのは地元益城町の小学生。小学生が礼儀正しく機内に入る様子に機長らは感銘を受けていました。彼らが情熱を持って修復保存している機体の貴重さを、小さな子どもたちが理解し大切に接してくれている。日本人の美意識を感じる瞬間でした。
市街地では高度1,400ft付近、阿蘇山付近では高度5,500ftを巡り約30分間飛行。クラシックな機内、優雅な離着陸、プロペラエンジンの鼓動。現代の旅客機では味わえないものばかりですが、旅客機の原型はこの時代に形成されたと理解できる快適なフライトにゲストは大満足。大人も子供も同様に「最高です」と興奮を表現していました。

岩国基地祭フレンドシップデー

5月5日の岩国フレンドシップデー参加のため、5月2日に米海兵隊岩国航空基地へ。航空祭当日までの間、左エンジンのシリンダーオーバーホールを含むメンテナンス。パイロット自身が整備も行いつつ世界をめぐるこのツアーではメカニック兼務のパイロット、DC-3の専門家ポール・ベイズレー機長が重要な役割を占めています。フレンドシップデーでは22万人という来場者が訪れ、駐機したブライトリングDC-3を間近にご覧いただき、クルーと直接交流しました。

神戸海洋少年団の子供たちと

5月6日神戸へ。神戸空港にあるヒラタ学園神戸エアセンターに駐機。ヒラタ学園整備士と共に、右エンジンの点検整備を行い、約二週間の整備休憩を経て日本ツアーの第二部を開始しました。5月19—21日3日間のイベントでは合計7回のフライトを実施。初日には神戸海洋少年団が参加し、神戸空港から大阪市街上空を周回するフライトを体験しました。招待飛行に搭乗できるのは一度に14名。航路は神戸空港から東に向かい淀川河口付近で西に旋回、六甲を右手に飛びポートタワー上空で再び旋回し神戸空港に戻るコース。海洋少年団の子供たちは瞳を輝かせて神戸港を行く船を木枠の窓から眺め、フライト後には航海術で習った手旗信号でお礼の挨拶をくださいました。

富士山にご挨拶

5月22日、神戸でのイベントを終え次の目的地福島へと向かう途中、富士山を背景に飛ぶブライトリングDC-3。高度12,500ftを40分近く保ってのフライトは77歳のDC-3にとってはチャレンジングな飛行でした。

福島で

5月25日には福島市内で記者会見および福島市有志主催による歓迎式典が行われました。福島26-28日の3日間、福島空港での招待飛行には福島市小林市長、福島市立大笹生小学校と須賀川市立小塩江中学校の生徒、クラブ・ブライトリング・メンバーキッズたちが搭乗。あいにくの天候で最初のフライトは離陸が叶わず滑走路を周回するのみとなりましたが、小学生たちは旧式の飛行機を駆る「世界一周の旅」というイメージに瑞々しい感性を響かせていました。「大人になってもこの日のことをずっとずっと覚えていると思います」とスピーチしてくれた小学生代表浅田さんの言葉同様、クルーもこの日を決して忘れないだろうと感じています。28日にはレッドブル・エアレース参戦のため来日中のブライトリング・パイロット、ミカ・ブラジョーが福島に激励訪問。貴重な思い出に華を添えました。

ブルーインパルスと航空自衛隊松島基地

ブライトリングDC-3は5月29日から仙台空港へ移動。仙台空港同様に東日本大震災で甚大な被害を受け、復興への思いに共鳴したブルーインパルスの拠点航空自衛隊松島基地とのコラボレーションが実現し、5月31日3回のフライトに東松島市の小学生を招待しました。海霧の影響で視界は万全ではありませんでしたが、児童らは眼下に名勝松島の島並を眺め、伝説の旅客機の空の旅を体感。2016年に修復を終えたブルーインパルスのハンガー前での記念撮影には、搭乗した小学生と保護者に加え、大勢の松島基地の自衛官、ブルーインパルスの機体T-4、津波で水没したのち修復を遂げたF-2戦闘機、救難隊ヘリUH-60Jが加わり圧巻の光景。この日、日本での全ての招待飛行を終えたクルーは特別な感慨とともに仙台空港に帰還。来るべき帯広からシェミアに向けた最長フライトへと、体制を整えていきました。

冒険はまだまだ続く

6月3、4日、レッドブル・エアレースのレーストラック上空を低空飛行したブライトリングDC-3は、その優雅な飛翔を観客に印象づけました。操縦はフランシスコ・アグーロ機長。高さ25mのパイロンのおよそ2倍の高さ、約50m上空で3度のローパス。会場にはパイロットのラファエル・ファブラ機長が訪問。イベントのインタビューや観客との交流を行いました。
その後クルーは北太平洋横断に備え6月5日に仙台空港から帯広空港へ。天候の見通しが立たず長期滞在の懸念も浮上、最大の難関とされるレグの実現が危ぶまれる場面もありました。ギリギリの調整をしつつ、ブライトリングDC-3は低気圧の隙間を縫うように、アシューシャン列島の夜間飛行を決行し6月6日とかち帯広空港を出立。多くの航空ファンに見守られ、日本に別れを告げました。

「世界最高齢旅客機による世界一周飛行」。ブライトリングDC-3にとってこれは航空の歴史に残る一世一代の飛行ですが、その大きな軌跡が日本の空に描かれたことをプロジェクトに関わった全員が誇りに思っています。最後にその思いを代表するフランシスコ・アグーロ機長の言葉を。

「私たちが夢を描くには、実際に体験し、目の当たりにする小さなきっかけが必要です。この貴重なDC-3に触れる機会が、子どもたちに何か少しでもインスピレーションを与えることができたなら、これほど嬉しいことはありません。このワールドツアーの本当の喜びと意味はここにあります」。
「仲間と冒険の時間を分かち合えることも人生で最も素晴らしいことのひとつです。人は辛い時間を過ごしても、きっとまた輝く時間がやってきます。未来を思い、今を生きる。そして過去を忘れないで受け継いでいく。そうした思いをブライトリングDC-3は、そしてこのワールドツアーは体現していると思います。皆さんとその冒険を共にできた日々を、私はきっと忘れないでしょう」。

—終わり


6月30日現在ブライトリングDC-3は無事北太平洋横断を果たし、オレゴンのオーロラで集中整備と検査を受けています。今後北米大陸横断、北極圏を含む大西洋横断、欧州各都市を経て、出発地のスイスへ9月帰還予定。シオンでのエアショウ参加を持って、この壮大な世界一周飛行を完遂します。

専用フェイスブックでは、大冒険の模様を続々と公開していきます。

PHOTO:(C)Breitling SA