CHRONICLE

1962年に市販化されたスペースウォッチは、
“プロの計器”として絶え間なく進化を続けた

地球周回飛行に成功したスコット・カーペンター少佐とナビタイマー・コスモノートでしたが、非防水だったため地球帰還時に海水につかって損傷を受け、NASAの検査員を経て、ブライトリングに送り返されます。残念ながら、時計史に名を刻んだこのクロノグラフは、二度とカーペンター少佐のもとに返却されることはありませんでした。

同年、ナビタイマー・コスモノートRef.809が市販化され、創生期は文字盤に「ナビタイマー」と「コスモノート」、あるいはその両方が表記されたモデルが混在。当初オールブラックだった文字盤は1963年頃からサブダイヤルがシルバーになって視認性を高め、パール装飾ベゼルも次第に現行と同様のデザインに進化していきます。ムーブメントは手巻きヴィーナス178をべースに24時間表示用に歯車機構を改良したものを搭載していましたが、1967年頃にバルジュー7736搭載モデルもごく少数生産され、1969年には世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメントを搭載した「コスモノート・クロノマチック」も誕生するなど、さまざまなバリエーションを派生していきました。

この頃、カーペンター少佐のミッションを支えたという実績は、幾度となくナビタイマー・コスモノートの広告でも、誇らしげにアピールされています。

1980年代に入って、アーネスト・シュナイダー社長(現会長)のもと、コスモノートは手巻きムーブで復活され、1992年にコスモノートⅡと名前を変えますが、1994年には元のコスモノートの名に戻り、2001年にフライバック機構とデイト表示を備えた自動巻きバージョンへ移行します。

2012年新作ナビタイマー・コスモノートは、2000年に生産修了になって以来、12年振りに手巻きで登場したスペースクロノグラフでもあるのです。