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RED BULL AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP 2018RED BULL AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP 2018

RED BULL AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP 2018

エアレース史上初となる母国での三連覇なるか!?
室屋義秀選手が語る
レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2018

昨年のレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ最終戦、ファイナル4の最終フライトまで優勝が決まらないという大混戦だった。文字通り、手に汗握る戦いを制し、2017年シーズンの頂点に立ったのが、われらが室屋義秀選手である。

そして今年、自身初となるディフェンディングチャンピオンとしてのシーズンを迎え、2戦目を終了。現在の総合順位は、1位マイケル・グーリアン選手(24ポイント)、2位マット・ホール選手(21ポイント)、そして3位に室屋選手(19ポイント)と、好位置に付けている。レースを観戦しても、「危なげない」「堂々とした」「安定の」といった単語が思い浮かび、さすが王者のフライトと思わせる。
しかし、室屋選手自身は「う~ん、でも残り6戦ですからね。総合優勝を狙うためにも、そろそろ優勝しておかないと」と表情を引き締める。
「昨年は自分が覚醒を感じたときもあれば、偶発的に勝てたレースもあり、勝利の再現性が低いと感じる内容でした」と振り返る。そして今年、2戦が終了して感じるのは“覚醒のタイミング”のほんの少しのズレだ。ただし昨年との違いは、そのズレを明確に感じ取り、修正できる力が備わっていることだろう。

そして、室屋選手が“そろそろ優勝”を狙う第3戦は母国開催となる千葉戦だ。
室屋選手は2016年、2017年と連覇を果たしており、今年は3連覇が大いに期待され、注目度も高い。ちなみに母国での3連覇はレッドブル・エアレース史上初の偉業となる。
「千葉は海レースならではの難しさがあります。風が強いと波が立ち、パイロンが動いてしまうのです。2016年は悪天候で予選が中止になりましたが、そのときは白波が立つほどでしたから」
波によるパイロンのふり幅は50~100㎝にもなり、これによりパイロンヒットすることもあるため、気が抜けないのだ。また、たとえ天候が良くても、海風は時間によって方向が変わる。千葉が難しい理由はここにもある。

さて、室屋選手の機体「Edge 540 V3」にはアブダビ戦以降、改良が加えられている。
「エンジンの冷却効率を向上させるため、新たにカウリングを製作しました。やはりエンジンを冷却するための空気抵抗は大きいものがありますから。完全オリジナルでふたつも作ったのは、うちのチームだけ」と誇らしげに語った。

また両主翼には新たにウイングチップを装備し、スピードアップを狙う。
「ウイングチップで0.2秒ほどの短縮になっています。カウリングもウイングチップも、まだデータ分析に至っていませんが、カンヌ戦を見る限り、いい改良になったと思っています」
さらに千葉戦では新しい部品の導入も予定されていると教えてくれた。目下、ふくしまスカイパークでは、これら変更ポイントの確認が着々と進行中だ。

ディフェンディングチャンピオンとして、また、偉業の3連覇を目指す室屋選手がどのようなフライトをするのか。
5月26日・27日、千葉(幕張)大会の開催が待ち遠しい。(取材・文 小泉庸子)

Photo:Katsunori Kishida,Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool,Jason Halayko/Red Bull Content Pool,Samo Vidic/Red Bull Content Pool